こんにちは。ゴールデンレトリーバーのカイザー(仮名)です。
遊びだしたら体力底なし。1歳ですが、まだまだ育ちます。

カイザーをドイツ語で書くとKaiserです。
Kaiserには皇帝っていう意味があります。
そう、僕って皇帝なんです。風呂上がりの僕の目の前に、三種の神器が並びました。

手前右が耳洗浄液ノルバサンオチック、左がコットンパフ、
そして奥にあるのが牛挽肉を茹でたものです。
『陛下~♪ ノルバサンオチックでお耳キレイにしましょ~♪』「……………………」『あれ? 陛下~? どこに行っちゃったんですか~? 陛下~?」
「……………………」「陛下~? 隠れても無駄ですよ~? どうせクレートの中かテーブルの下ですよね~
……あ、
見 つ け た ♪ 』
「ひぃっ」
『陛下♪ ノルバサンオチックでお耳キレイにしましょ♪』
「ぎゅ……牛挽肉を先にくれたら考えてもいい……」
『ダメです♪ お耳洗浄が先です♪』
「そこをなんとか……」
『陛下♪ アメ担当の私、下僕2が、やさしくお呼びしているうちに
そこから出てきてくださいな♪ じゃないと……』
『カイザー(仮名)、こっちへこい』
『ほら、ムチ担当、下僕1の雷が落ちちゃいますよ~♪』
「くっ……」

「ど、どうしてもやらなきゃダメか?」
『ダメです♪』
「最近は別に耳がかゆいとは思わないんだが……」
『それでもやらなきゃダメです♪』
「本当に、耳、ぜんぜんかゆくないんだ」
『それは大変結構なことです。是非その調子を維持しましょう。
今なら2週間に1回の耳洗浄で済みますが、
お手入れをサボって外耳炎になると、毎日2回、耳洗浄+点耳薬ですよ?』
「うう……」
『あら、よだれが垂れてきちゃってますね~、陛下♪
さっさとお耳キレイにして、牛挽肉食べましょうよ~♪』
「よ、余はよだれなど垂らさん!」
『いいからこっちこい、カイザー!』
『ほら、下僕1が待ってますよ?』
「ううう……」

『よし、今だ、やれ、下僕2』
『はいは~い、しっかり陛下を押さえててくださいね~、下僕1』
「あわわわわわわわ……」
マラセチア菌との戦いは、垂れ耳の宿命なのでしょう。
こうして今日も僕は、耳洗浄剤ノルバサンオチックを容赦なく外耳道に注入され、
耳の根元をクチュクチュ揉まれるのです。