こんにちわ。ゴールデンレトリーバーのカイザー(仮名)です。
そろそろ1歳。まだまだ食べます、育ちます。

カイザーをドイツ語で書くとKaiserです。
Kaiserには皇帝っていう意味があります。
そう、
僕って皇帝なんです。昼寝から目覚めると、下僕2が部屋の片隅でなにやらゴソゴソやっていました。
気になって行ってみると、そこに並んでいたのは懐かしい玩具の数々。
しばらく見ないと思ったら、下僕2が隠していたようです。

『そりゃ隠しますよ。全部壊れてるんですもん』
「壊れてるのか?」
『壊れてますよ。陛下が壊したんです』
「そうだっけ?」
『そうなんです。これとか5分もたなかったんですけど、覚えてませんか?』

「……あ、覚えてるかも。確かこれ夜の公園で……」

『そう。お店で買って、すぐに近くの公園に持って行って、「とってこい」の練習しようとしたんですよね』
「噛むとピーピー音がするんだ、これ」
『陛下ったら、投げたら取りに行ってくれたけど、くわえたまま大喜びで走りまわって、ぜんぜん帰ってきてくれなくて』
「くわえたまま走ると、勝手にピーピーいっておもしろいんだよね!」
『着地の瞬間とか、地面を蹴る瞬間とかに、あごに力が入るんでしょうね。足の動きと同じリズムでピーピー鳴らしてましたね』
「だけど急に音がしなくなったんだ」

『まさかと思ってとりあげてみたら、穴があいてましたね。犬歯が貫通したんでしょう』
「そのまま返してもらえなかった……」
『当然です。陛下が破片を誤飲しては困りますから』
「ちょっとしか遊べなかったなぁ……」

「で、壊れてるならなんで捨てずにとってあるの?」
『いつかまとめて写真撮ろうと思ってたんですよ。もう撮りましたから、捨てます』
「ふーん……じゃあ……」

「捨てる前に、もっと壊しちゃっていいよね?」
『ダメです』
「ちぇっ……」
