こんにちは。ゴールデンレトリーバーのカイザー(仮名)です。
遊びだしたら体力底なし。1歳ですが、まだまだ育ちます。

カイザーをドイツ語で書くとKaiserです。
Kaiserには皇帝っていう意味があります。
そう、僕って皇帝なんです。このところ、皇帝である僕に対する
下僕たちの無礼は、目に余るものがありました。
Mサイズのバリケンネルに入らせたり、
金太郎の前掛けみたいなのをつけさせたり。

いったいなにが下僕たちをこんな暴挙に駆り立てているのか。
皇帝として、なんとしてもその原因を突きとめなければならない。
――そう思っていた矢先のことです。
僕の
公用車が納車されました。


視察デビューから1年。
領内を視察するときは、ずっと徒歩でまわってきました。
ウォーキングは健康的だし、
領内の様子を余すところなく感じとることができて、一石二鳥でした。

夏のあいだ、
徒歩で片道2時間以上かかるような辺境の緑地には行けませんでしたが、
それでも僕は徒歩での視察にそれなりに満足していました。
![[ゴールデンレトリバー、カイザー、日陰でほっと一息]](http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/a28e452612cff426497e0527997fcdfc/1341807824)
しかし下僕たちは、夏場の僕の運動不足を心配していました。
また、僕にもっと見聞を広めてほしいとも考えていました。
そこでこのたび、機動力を確保するため、公用車が導入されたというわけです。
なお、Mサイズのバリケンネルや金太郎の前掛けといった暴挙は、
僕がクルマに乗る際の安全対策だったようです。
『さあさあ、クルマがきましたよ! 乗りましょう、陛下!』
「え、ちょっと待って、いきなりそんなこと言われても……」

『クルマの中が怖いですか?
それとも乗りこむときの段差が気になりますか?』
「別にそんなことはないんだけどでもちょっとなんというか」
『そうですか。でも大丈夫です、陛下ならできます。
テレビのコマーシャルでも、ゴールデン・ドゥードルのオスカーくんが
華麗に飛び乗ってますから!』
「いや、オスカーくんは撮影前にきっと何度か練習してるはずで、
いきなりあんなふうに飛び乗ったわけじゃ……」

『まぁまぁそう言わずに、さあさあ!』
「ちょっ、待っ……」