こんにちは。ゴールデンレトリーバーのカイザー(仮名)です。
3歳半になりましたが、歩き出したら体力底なし。涼しくなって絶好調です。

カイザーをドイツ語で書くとKaiserです。
Kaiserには皇帝っていう意味があります。
そう、僕って皇帝なんです。焚き火。それは人間が編みだした、暖をとるための原始的な手段。
火があれば温かい食事を用意できるし、湯たんぽのお湯も沸かせるし、
なにより火そのものが暖かいです。
涼しい季節のキャンプに焚き火は欠かせないと下僕たちは言います。
というわけで今回は「涼しい夜の過ごし方 2014 ~焚き火編~」。
下僕たちが火を頼りに涼しい夜をやり過ごす様子をご覧ください。
焚き火には燃料が必要です。
燃料切れを恐れた下僕たちは、キャンプ場にこれだけの燃料を持ちこみました。

量販店で購入した木炭4.2キロと、頂き物の薪たくさん。庭で剪定して出たローズマリーの小枝が少々。
先に申しあげますと、初日の夜と翌朝、2回火をおこしても使い切れない量でした。
具体的には、一番左の箱に入っている板状の薪が半分強、木炭が2割ほど残りました。
下僕たちは自前の焚き火台として
UNIFRAMEのファイアグリルとヘビーロストルを持ってきていましたが、
今回、ファイアグリルは出番がありませんでした。
キャンプ場に、ご覧のような素敵な焚き火台が用意されていましたので。

『これ多分U字溝です。排水溝とかに使うやつですよ。こんな使い方もあるんですね』
下僕2が目を輝かせていました。浪費警報発令です。
ちなみにこのU字溝焚き火台、数に限りがあり、早い者勝ちでした。
下僕たちが全幅の信頼を寄せる火おこしの方法はこちらです。
新聞紙で井桁を組んで、井桁のまわりに炭を積んでから、中の新聞紙に着火。
この方法だと、ド素人の下僕たちでもおもしろいように火がつくらしいです。
最初からこのやり方を知っていたら火おこし器も着火剤も買わなかった、と下僕2が嘆いていました。
火がついたら夕飯の支度に取りかかります。
僕の夕飯は、前菜が鶏ささみ、メインがドッグフード、デザートに焼き芋。
下僕たちの夕飯は簡素なコンソメスープとパン。デザートに焼き芋。
夕食は夕方6時前には済ませます。
遅い時間に飲み食いすると、夜中、トイレに行きたくなってしまうからです。特に下僕1が。
最低気温ひと桁の真夜中に、寝袋から出て、テントから出て、トイレに向かう……
昨年の秋キャンで味わったその苦しみを、下僕1は忘れていません。
あのときの下僕1は、僕から見ても、本当に哀れでした。

コンソメスープの具材は、持参した鶏ささみやカボチャ、ほうれん草、
それからキャンプ場に隣接する温泉施設の直売所で買ってきたブロッコリー。

『陛下、生のブロッコリー、食べますか?』
「……いらない。はやく鶏ささみ食べたい」
U字溝焚き火台の上に、持参したUNIFRAMEのヘビーロストルをセット。
そして地獄の業火に投じられる鍋とケトル。

鍋の中で鶏ささみとカボチャが踊っているはずですが……あのぉ下僕さん? 火力が強すぎませんか?
下僕たちはおもしろ半分にローズマリーの小枝を投じていましたが、
火がご覧の状態なので、あっというまに燃え尽きて、香りがふきとんでました。もったいない……。

茹であがった鶏ささみを、人間仕様に調味する前に取り出します。まるごと1本、僕の前菜です。

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偉大なる皇帝が、下僕ごときに鶏ささみで弄ばれました。
メインの食事が終わると、あとはデザートのサツマイモが焼きあがるのを待つばかり。
あたりはすっかり暗くなり、地獄の炎はさらに燃え上がります。

この中には僕の大事なデザート、サツマイモがあるのですが……。

ねえ下僕、僕のお芋さん、大丈夫?

取りだしたお芋さんは、巻いてあったはずのアルミ箔と濡れ新聞紙が焼失、
本体も外側が厚さ5ミリほど炭化していました。
可食部が残っていて本当に良かったです。

下僕よ……焼き芋は熾火でつくってはくれまいか。

余は待ちくたびれた。はやくその可食部をよこすがよい。
さらに夜は更け、就寝時間が近づきます。
焚き火をそのままにして寝るわけにはいきませんので、
湯たんぽの湯を沸かし終えたら徐々に火力を落としていきます。
下僕1が火の始末をするあいだ、
下僕2はキャンプ場隣接の温泉に行ったり、夜景をエンジョイしたりしてました。

シャッター優先AEでシャッター速度1秒、あとの設定はすべてカメラに丸投げの手持ち撮影。
そんな適当ぶりでもそこそこ撮れちゃうんですから、PowerShot G15はすごいです。
さすがはキヤノンが誇るちょっと高級なデジタルカメラ。
星空だって、ほらこのとおり。

呼吸を止めて1秒。

下僕2が真剣な目をして撮りました……ほしくずろんりねす。
犬の僕には到底見えないものを写し出すあたりが、正直、小憎らしいです。ですとろい。
午後9時過ぎ。
焚き火が完全に消えると、一気に涼しくなります。
野生動物が喜びそうなものをすべてクルマにしまいこんで、僕たちはテント内に撤収です。

それではみなさま、おやすみなさい。そして、待て、次号!